今年の花粉の飛散数は、全国的に大量飛散であった昨年より少ない見通しですが、それでもほとんどの地域で要注意レベル(2,000個/㎠以上)を超えると予測されています。

今では2人に1人が花粉症らしいですが、日本人はいつからに花粉にアレルギー反応を起こすようになっってしまったのでしょうか。

 

昔は花粉症がなかった?
日本では1961年にブタクサ花粉症が、1963年にスギ花粉症が初めて報告されました。つまり、日本での花粉症の歴史は60年ほどしかありません。

年配の方が「昔は花粉症なんてなかった」と言うのは本当だったのです。

なぜ花粉症は急増したの?
花粉症の増加の理由にはさまざまな説が唱えられています。いくつかの仮説に触れてみましょう。

〇花粉量の増加
スギは昔から日本で生息していましたが、1960年代に大量に植林されたため花粉の飛散量が増えたことが花粉症増加の原因と考えられています。

〇大気汚染の影響
花粉症急増の原因には、大気汚染の影響も挙げられています。花粉が大気中の化学物質と付着した結果、アレルギー反応を引き起こしやすくなったとする説です。

〇食生活の変化
日本の食生活は戦後の高度成長期を経て大きく変化しました。

同じ時期に花粉症だけでなくアトピー性皮膚炎など他のアレルギーも増加しています。

〇寄生虫の減少
花粉症をはじめとしたアレルギー疾患が増加した背景には、寄生虫の減少が関係しているとの説があります。

寄生虫は腸内で一種の細菌を増やし、アレルギー反応を抑える細胞の産生を促しているとの研究結果があります。寄生虫にそんなメリットがあったとは。

〇生活環境の変化
日本は世界最高の清潔国家です。特にここ数年はアルコール消毒でどこもかしこもピカピカになっています。

清潔なことは良いことですが、こと免疫機能に関しては、どうしても抵抗力が低くなりやすくなってしまうようです。

今回は花粉症が増えている原因とされている事柄をピックアップしましたが、次回はそれぞれの対策についてのお話をしたいと思います。

ではまた次回( `ー´)ノ