私のところには「不眠の症状」でお悩みの方もよく来られます。
もちろん、不眠症の専門外来ではないので、主訴が「不眠」という訳ではなく、肩こりや腰痛で来院された方の話を聞いていくと「実は不眠で悩んでいるんです。」ということがよくあります。
一概に「不眠症」と言ってもいくつかのタイプがあります。
・布団に入ってもなかなか眠れないタイプ。
・寝てもすぐに目がさめるタイプ。
・眠りが浅く、睡眠時間は取っているはずが熟睡した感じがないタイプ。
・起きる時間よりも、2時間ほど早くに目が覚めてしまうタイプ。
とまぁ、こんなところでしょうか。
原因
一般的には「ストレス」「運動不足」「体の痛みや痒み」「おしっこが近い」「薬の副作用」など、実に多くの原因となりうる因子があるようです。
治療法
あくまでも一般的な意見ですが、不眠症の治療法はありません。
そう言ってしまえば もう元も子もないのですが...
せいぜい睡眠薬を飲むことで、その日の眠れない辛さからは逃れることができるでしょう。
しかし「はたしてそれが治療なのか?」というとある種のごまかしに過ぎないと思います。
ここで、私の治療院に来られたFさん🚺をご紹介します。
Fさんは20年程前から睡眠障害に悩まされていました。
最初は膝の痛みで来院したので、睡眠障害を治すためにやって来たわけではありませんでしたが、
いろいろ話を聞いていると、出るわ出るわ「病気のデパートか!」というぐらい様々な症状を抱え、
病院でも多くの診断名をもらっていて、睡眠障害もその中のひとつでした。
ただ、僕の治療で睡眠障害が改善したケースも多く、「たぶんイケるやろな」とは思ったものの、
患者さんからすると「そんなことよりも、まずは膝が痛いのをなんとかしてよ!」と言われるのがオチなので、睡眠障害の治療ができることは黙っていました。
とりあえず、膝の痛みを取るための治療と、ちょっとばかし(内緒で)睡眠障害の治療をしました。
そして・・施術3日後。
2回目の施術に来られたFさんは開口一番、
「先生、見て見て!」
見せてくれたのはスマホの画面でした。
睡眠障害に悩まされていたFさんは、自身の睡眠サイクルを測るためにスマートフォンのアプリで毎日測定していたとのこと。
ちなみに、治療を受ける前はこんな感じでした。
ここで少しこのグラフの解説を。
縦軸が睡眠の深さ、横軸が時間です。
上のグラフが意味するのは、布団に入って1時間は眠れず、寝たと思ったら2時間弱で目が覚める。
また30分ぐらいウトウトしながら、2時間ほど眠る。
そしてまた目が覚めるといった感じだったそうな。
こんな日々が20年も続いていたそうです。
Fさん曰く、
「かれこれ20年ぐらいぐっすり寝た記憶はなく、仕事をしていても体が重たくて、夜は眠くて布団に入るも目がさえて寝れない。」とのこと。
年々睡眠薬の量も増えていき、心も体も疲弊していたそうです。
そんなFさん・・・
初めて施術を受けた日は、なんと何十年ぶりかに熟睡できたそうで、その時のデータを見せてくれました。
↓↓↓
それから週に2回のペースで1ヶ月間施術を行いました。
だんだん体も安定してきたし、自分でできる体操もマスターしてきたので、
「後は症状が出たら来てもいいし、月一ぐらいのメンテナンスで来てもいいし、好きにしていいですよ」と言いました。
1ヶ月先の予約を取って帰った後も、まめに経過を写真で送ってくれました。
2週間経過。
1ヶ月経過
今まで眠れなかったのがウソのように、毎晩ぐっすり眠れるようになったそうです。
このひと月の間、教えた体操を毎日してくれて、「薬を飲まなくても寝れています!」と本当に喜んでくれました。
もちろん主訴である膝の痛みもなくなりました。
めでたしめでたし♪
不眠症が改善した患者さんは、皆さん口を揃えて「何で体の歪みを治したら寝れるようになるの?」と言われます。
実は、僕にもその答えは分かりません。
でも偶然では片づけられないほどの改善例があるので、何かはあるんだろうなと思います。
あくまで考察の域を超えませんが、
体の歪みを治すと「体が本来の機能を取り戻す」のではないかなと、そう思います。
人間の体には「自然治癒力」や「免疫力」と呼ばれる、元に戻ろうとする力が備わっています。
体をまっすぐにすると その力が働きだすんだと思います。
さて、症状がすでに慢性化している場合は真っ先に体の歪みを治す治療をした方がいいでしょう。
症状が軽い場合は、健康教室で教えている体操でご自身で何とかできると思います。
一番良くないのは「もうダメだと思って放っておくこと」
そして「薬でごまかそうとすること」です。
悩んでいる方は一度お話を聞かせてください。